「なぜNPO法人と株式会社に分けたのか?」
先日、あるプレゼンで頂いた質問だ。
「NPO法人の中で受益者負担と、寄付型の事業を、部門で分ければ良いのではないか?」

もっともな質問だと思う。

これについては、非常に悩んだ決断だった。
「儲けに走ったように見える」と、周囲からもとても反発があった。

けれども、今後の戦略を考えた時に、圧倒的なメリットがあった。それは「優秀な人材の採用」だった。
組織が拡大するということは、「権限を委譲」しなければいけないということだ。人間の持つ時間は限られているから、自分の見ることができる仕事の範囲には限界がある。
だから優秀な人材を採用しなければならない。

NPOが人材獲得が難しい理由の一つに、「待遇」があることは否めない(時代は変わりつつあるけれども)。
これは「NPOだから」「社会課題解決を第一の目標にしているから」というのもあるが、
「資本政策に制限がある」ことにも原因があるように、僕は思っている。

普通のベンチャー企業であれば、ストックオプションをはじめとした資本政策を用いることができる。
目先の給与が多少安くても、「株」によって将来的なリターンを期待できる。

株式会社とNPO法人に分けることによるデメリットもたくさんあったが、
僕はこのメリットを期待した。
そして昨年、株式会社に受益者負担の事業を移管した。

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僕は7年間、目の前の仕事を回していくのに必死だった。
ビジネスモデルを創り、それを維持・拡大していく作業は、苦難の連続だった。

「安田は、何をしているのか分からない」と社内では言われ続けてきたけれども笑、
いつも重要な意思決定について、あれでもないこれでもないと悩んできた。
(株式会社・NPO法人に分けたときも、相当悩んだ・・・)

重要な局面において考え抜くことで、大きな失敗なくここまで事業を伸ばせたことは、とても誇りに思っている。
けれども、その思考の時間を「自社」を超えた「社会全体」のために使ってこなかったのも、また事実だった。

そして今、とてもワクワクしているのは、「より社会のために必要なこと」にコミットすることができるようになったことだ。

(個人として)本を2冊書くことで広く自分の経験を伝えること、(NPO法人として)困窮世帯向けの支援策のトライアルを始めることなどは、株式会社の方に優秀な人材が入り、権限移譲ができるようになって、可能になったことだ。
今までやったことのないタイプの仕事だからなかなかコツを掴めないが、それはそれで楽しい。
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最近は、広い視野で、自分の仕事を見返すための時間を過ごせている。

「何度でもやり直せる社会を創る」という僕のミッションの達成に向けて、来年は次々に形になるといいなと思う。