良い文学に出会えた。
橋本治の「巡礼」だ。
 
「ゴミ屋敷」の老人の一生を描いた作品。
近隣住民の不満から描かれる人間同士の「分かりあえなさ」、一方で老人の背負ってきた孤独、模索し続ける生きる意味、そして孤独からの救い・・・後半は震えが止まらなかった。

戦後の復興期を不器用に生きた老人は、孤独という無意味さの中でもがき続け、自分でも訳の分からないままゴミを拾い集めていた。
その思いを言語化できずに苦しむ老人に代わり、著者は老人の記憶の軌跡を辿っていく。
その美しくも苦くもある老人の思い出が紡ぎ出された最後に、弟との再会によって全てが昇華される。

久しぶりに何度も読み返したい小説に出会えた。

やっぱり、文学とか映画っていいなー