二年前、パレスチナ人たちと接点があった頃、イスラームの正しさに「科学」を利用しようとする姿勢にうんざりすることがよくあった。
 
よく話に出てきたのは、月面着陸を果たしたアームストロングの話だ。彼がムスリムになったのは「月から見た風景」がクルアーンに書かれていたものと同じだったからだと言う。
今回のバングラデシュ滞在では、同じ内容をバングラデシュ人の口から聞き、再びうんざりさせられた。彼らは、まだ「近代」社会を生きていて、ある意味ではダーウィニズムを批判するキリスト教原理主義者たちと、そうは変わらないのではないかとよく考える。
 
 
他によく聞く話として、「ヒジャブ」の話が挙げられる。
女性の顔や体を覆うことで、女性をレイプから守っていると彼らは主張する。イスラームは女性を大事にする宗教なのだと。
 
けれども、バングラデシュのレイプ件数は日本のそれより明らかに多い。そのことを追求すると、男性も女性も、まだ「真のムスリム」になりきれていないのが問題なのだと彼らは主張する。
しかし、皆が「真のイスラム教徒」になれていない時点で、イスラームが科学的には「不完全なシステム」であることに彼らは気づかない。日本のようにヒジャブなしでも、(バングラデシュよりは)レイプの件数を抑えることができる。科学で正しさを証明しようとすればするほど、イスラームというシステムのほころびばかりが見えてくる。
宗教の正しさを近代科学で説明しようとする時点で、時代から取り残されているなぁと感じる。
 
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先日の新聞に東大寺長老の森本公誠氏のインタビューが載っていた。
手元に新聞がないのでうろ覚えなのだが、仏教僧でありイスラムの研究者でもある彼は、「イスラームを理解できるとあなたは思いますか?」という問いかけに、こう答えていた。
「難しいですね。でも理解できると信じたいですね~。」
いい答えだなぁと思った。