戸籍上の母親は亡くなったが、それでも僕はバングラデシュに来た。
日本を出てから初めて、自分の行為が正しかったのかどうか、悩んだ。

一昨日まで入院していた。
計6回半年強バングラデシュに滞在して、そのうち3回入院している。
僕は途上国が向いていない。
いや、バングラデシュが他の途上国と比較しても異常な気もする。
ハエも蚊も物乞いの数も、世界一なんじゃないか。

地を這うようにしながら、世界を見上げてみたかった。
物乞いやリキシャ引きたちの言語を覚えて、そこからどんな世界が見えてくるのか、感じてみたかった。
「電気を通して途上国に貢献したい」、「投資環境を整えることで途上国に貢献したい」、そういう人たちと話すにつれて、人間の幸せについて考えるようになっていた。開発の意味を考えていた。何が人間の幸せなのかを。

けれども、やはり僕は汚い部屋で寝たくないし、トイレや風呂はきれいであって欲しい。
たまにはカレー味以外の食べ物が食べたいし、毎日食中毒におびえながら生活するのはつらい。