「途上国の発展にビジネスを通じて貢献したい」というせりふを、就職活動中あちらこちらで聞いていて、いつも何かが引っかかっていた。
それは、①経済発展=人間の幸福、②途上国の発展=日本経済の後退、という関係性への論証が足りていないからだと思う。
 
 
1点目に関して言えば、開発学の歴史の中で示されてきたように、人間の幸福は単に経済発展では測ることができない。経済開発が重視されていたのは、もう数十年前のことだ。もし経済の発展度で人間の幸福を測ることができるなら、日本人はバングラデシュ人の数十倍も幸福なことになってしまう。(一人当たりGDP比)
この辺りは、アマルティア・センの議論が参考になる。
 
2点目は意外にも認知されていないことであるが、日本の格差社会は途上国の発展と表裏一体だということだ。
日本のメーカーが中国・インドに生産拠点を移せば、日本の単純労働者は今までほど必要はなくなる。また、当然中国・インドと日本の下請け工場との価格競争が起きる。その結果、日本の単純労働者が「貧困」に追い込まれるのは当然の話だ。
 
 
そんなことをうだうだ考えながら、今僕は世界との関わり方を模索している。