土日は、シビウという街に遊びに出かけるはずだった。諸事情により中止となった。

というわけでいつもと変わらない休日が始まった。

 

遅く起きた朝は、朝食作りから始まる。お金のない私は、忙しい平日の朝食・昼食をファーストフードで済ませてしまうことが多い。だから休日はちゃんと自分で作ることにしている。

 

ゆっくり風呂に入り部屋の掃除や洗濯を終わらせたあと、勉強にとりかかる。今日は雨だ。

 

電子辞書に記録してあるこの一週間で調べた単語を書き出したり、TOEFL用の教材をやっているうちに、降っていた雨がいつのまにか止み、雲ひとつない青空に変わっていたりする。クルージュの天気は変わりやすい。

 

そんな晴れた時は街の中心にある公園を散歩しながら、いつものカフェに向かう。全席禁煙の上英語メニューもちゃんとある、クルージュの街では珍しい店だ。

 

この街に数少ない「アジア人」とあれば、店員もすぐに顔を覚えてくれる。数回通ううちに常連客のような態度を受けるようになった。日本にいるときは「カフェに通う」ということが貧乏学生の一つの夢だったが、ルーマニアの物価の中ではそれを実現することができる(といってもケーキと紅茶と頼めば400円はするが)。

 

クルージュの街の夜の10時の日暮れと同時にカフェは閉まり、その後スーパーへ向かう。少し遅い夕飯の支度だ。

 

日本とは違うスーパーに並ぶ食材たちをどう料理すればよいのか、初めは悩んだ。料理している時は本当に日本人の友人が欲しくなる。

それでもなんとなく最近料理のコツを掴めて来た。与えられた環境の中で、どのようにして自分好みの料理をつくるか、そんなことが最近は楽しくなってきた。

 

そんな風にして休日はあっと言う間にすぎていく。

 

 

ここに来始めた頃は本当につらかった。

 

この田舎街では、英語のメニューがちゃんとおいてあるレストランなどほとんどないし、買い物もルーマニア語が使えないときつい。人に話しかけられると言ったら「チャイナ!」と笑われることがあるぐらいで、アジアや中東で感じるような人の暖かさはない。

 

それでもなんとかやってきた。日本にいる時とは違って毎日を大切に生きた結果、色々なことを学んだと思う。そして、ようやくここにいることが「日常」となってきた。

 

そして、考えてみれば、もう6月だった。