今から数時間後、カトマンズを発ちます。バングラ日記も書き終わってないわけですが、南アジアに生きる人々のアイデンティティーについて感じたことを少々。
 
 
バングラはムスリム国家なのだが、中東と比べるとだいぶ世俗的だと感じた。特に若者は、ムスリムというアイデンティティーよりも、「ベンガル人」としてのアイデンティティーの方が強いようだ。
中東の友人たちと話していると、会話の中にクルアーンやムハンマドの話がよく出てくるのだが、バングラの若者との会話ではベンガル地方に伝わる歌や食事、そして言語に関する話題が多かった。(年齢があがると少々状況が異なるようで、ホームステイさせて頂いた友人の家のご両親は非常に熱心な信者だった。)
バングラ人の友人たちは、インドは好きだがパキスタンは嫌いだという。バングラがパキスタンの一部だった頃、パキスタンがウルドゥー語を公用語としてベンガル語の使用を禁止しようとしたわけだが、その事件に関するパキスタンへの怒り(その事件自体は相当昔なわけだが)は、たびたびバングラ人から聞いた。
 
ある中東研究者が、中東のムスリムは「アラブ人」と「ムスリム」としてのアイデンティティーの二重性を抱えているという点で特異だと言っているらしいが、それ南アジアのムスリムも同じことだなと感じた。
 
 
 
ネパールではかなりの人が、自らのことを「無宗教」と言っていた。「無宗教」は日本人の特権であるかのように言われがちだが、どうやらそうではないらしい。特に国境のレストランで知り合ったネパール人の言葉は印象深かった。
「俺はまず自分の頭と心を信じる。神が出てくるのは、そのあとだ。」
同様にインドで知り合ったNGOの職員も、無宗教と言っていた。
これはヒンドゥー社会の問題からくるものなのか、調べてみたい。
 
少々驚いたのがコルカタで知り合ったインドのムスリムの発言だ。私がしている時計を買った場所について聞かれた時、彼がムスリムだと聞いていたので、私は"Jerusalem in Palestine"と答えたのだが、彼は私の発言を訂正した。
「エルサレムってイスラエルのだろ?それにしてもイスラエルの女は美人だよな。この前ヤッたけど、かなりよかったぜ。」
 
中東のムスリムからは、なかなか聞けない発言だと思った。