昨日の夜、タイに入った。明日空路にてバングラデシュに入る予定。
 
空港に着きゲストハウスに荷物を置くと、すぐに繁華街へと向かった。パッポン、ナナと言ったら、わかる方も多いだろう。
 
今回の旅はバンコクを基点として、一ヶ月半を予定している。
この旅で、一年間の休学期間中の目標である「ドキュメンタリー映画」製作の準備をしたいと思っている。前回東南アジアを旅したとき感じたことだが、アジアの性風俗が非常に興味深い。タイに関して言えば、「搾取ー非搾取」の構造にとどまらない多様さがある。(「ゴーゴーバーの経営人類学」と言う本が、経営学、人類学的な見地からうまく解説しているhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839601674/249-3963390-7881127
 
下調べのために繁華街を巡り歩いていると、一人の女性と友人となった。
貧乏旅行者の私は、そして今後一ヶ月半の旅程を控えている私は、彼女を「買う」ことは金銭的に無理なわけだが、習って二ヶ月となるタイ語を駆使して、いろいろと話しを聞き出した。
 
タイ東北部、イサ-ンから四ヶ月まえ出てきた彼女は24歳、「オー」という名前だと言った。 ナナのゴーゴーバーで働くバーガールらしい。美人とはいえないが、可愛らしい笑顔がある。
 
しばらくして家で話さないかといわれた。
時間は深夜一時。タイの性風俗が閉店する時間だ。暇だったのだろう。
 
「ソイ1」に向かった。ソイという地域一帯には、ホテルやバー、そして風俗店などが乱立する。その一角に、彼女の家はあった。
 
一月1900バーツ(約5500円)で借りているというその家は、貧しかった。「汚いから」と言って部屋の中までは見せてもらえなかったが、外から見てだいたいのことは推定できた。繁華街から一歩入ったところに、そして高速道路のすぐ横に、こんな住宅地があるとは想像しづらい。途上国の開発の問題を見た気がした。
 
家の前のベンチで、彼女の弟や親友と30分ぐらい他愛もない会話をした。家族まで紹介されてしまったわけだ。
 
しばらくして「カラオケに行こう」と誘われたが、ゲストハウスに戻ることにした。時間は深夜二時半、日本時間の朝4時半だ。前日寝ずに旅支度をし6時間の飛行機に揺られていたため、少々疲れていた。カラオケに行くお金さえ持ち合わせていなかった。後輩K氏をゲストハウス内に残していたため、あまり遅くなるのもまずかった。
 
「東京はきれいか?東京に行ってみたい。」
彼女は言った。
「mai(別にたいしたことはないよ)」
僕はとなりの高速道路を指さして答えた。
 
「また会えないか?」と聞かれ、
「Phom ca pai india(インドに行くんだ)」
と答えた。
 
電話番号とメールアドレスを渡され、「また連絡してほしい」と言われた。
偶然の中で人と出会い、新たな輪が広がった瞬間だった。
 
 
 
帰りのタクシーの中でビデオカメラをゲストハウスにおいてきてしまったことを後悔した。ネパールからタイに戻ったとき、取材を試みたい。