巷で話題となっている、ムハンマドの風刺画事件について。
今度まとまって意見を書こうと思っているが、少々思うことがいくつか。
 
 
 
「イスラエルは地図上から消し去るべきだ」と公然と発言する大統領を持つ国民が、宗教の冒涜について西欧諸国に対して暴力的な手段をもって抗議する。
イスラエルの存在を認めたくないというイランの大統領の発言も、イスラエルと中東との関係を見れば分かるが、それなら「イスラム原理主義によるテロの拡散を見ればデンマーク人の気持ちも分かる」なる反論もなりたつ。
更に言えばサウジアラビアの国教のワッハーブ派なんて、「スンニ派以外の人間は死んでも良い」みたいなことを教義としているわけで、他人のことを批判する前にまずイスラム教の内部を見直せよと言わざるをえないのではないかと思う(まぁイランの場合はシーアなので、ワッハーブが「内部」とは言えないか)。他宗教を尊重していないのは、どっちなんだと。
 
 
 
目を転じて、ヨーロッパに対して思うこと。
デンマークの新聞に半年前に掲載された風刺画を、改めて再掲載したのはキリスト教系の新聞だったらしい。じゃあイスラム系の新聞がキリストやらマリアやらを冒涜しても、彼らが何の抗議もしないならそれも良いがそうではないだろう。
さらに言えば、「表現の自由」はミル以来のリバタリアンたちにとって特に重要な概念ではあるが、これはあくまで西欧の概念である。イスラム社会に適用することが正しいとは言いがたい。
 
 
 
さて私個人としては、「宗教は冒涜してはならない」なるテーゼに納得がいってない。
少なくとも、根拠のないものも含まれた新興宗教批判が度々吹き荒れる社会に生きている私たちにそんなキレイごとを言う資格はないはずだと思うのだ。