7月のことだった。1年ぶりにある女性にあった。
 
出会ったのは6年前、私が友人の高校の文化祭に行った時、彼女と一緒に文化祭に来てた子に声をかけられた。所謂、逆ナンというやつだ。それからも一年に数回飯を食うようになり、前回会ったのは昨年の5月。彼女が短大を卒業後アメリカの大学に編入する直前のことだ。
 
日本に一時帰国しているとのことで、メールがきた。そして会った。一段と美しくなってて、1年という年月を感じた。勿論昔からの友人だから特別な感情は持っていないわけだけど、純粋にキレイだなと思った。
 
 
喫茶店で話している時、彼女が電話で席を外した。その間私は暇だったので小熊英二著のある本を読み日本のナショナリズムについて考えていた。10分後彼女が戻ってきたので、私は本を鞄の中に入れた。すると「何の本を読んでるの?」彼女が聞いた。私は本を取り出した。
 
「私はこんな難しそうな本読めないなぁ。尊敬しちゃうよ。しかも本に線引いて読む人初めてみた~」
これが彼女から返ってきた反応だった。
 
私はそのとき何かを悟った。
私がいつも考えているようなこと、つまり近代成熟社会についてだったり、現代のナショナリズムだったり、そんなことは世の中のほとんどの人にとってはどうでもよいことなんだと。そんなことは、生きる上ではほとんど必要とされないことなんだと。そしてそんなことを考えている時間があったら、流行りの音楽やらテレビやらに詳しくなった方がきっと女の子にもモテるのだろうと。