月曜日、放課後Y嬢とリング用の原稿についてアドバイス。たまたま当団体メンバーのI嬢が通ったので、夜にあったJVCのパレスチナの活動報告会にさそう。エッセイのdueが延びたので行けるとのこと。上野のJVCの事務所に向かう。

パレスチナで子供の支援をしていた女性の活動報告を聞く。懐かしい写真もでてきた。ラマンラの中心街、カランディアの検問所、壁、あの場所で出会った人たちを思い出し胸が熱くなった。僕はパレスチナで、そこで生きる人の日常を見た。人懐っこい彼らとのやりとりを思い出すと彼らが僕にとって「他人」ではなくなる。どこか空虚に感じていた「中東和平」というスローガンが、現実味を帯びた瞬間であった。

けれども彼女の語るパレスチナは、僕の知るパレスチナではなかった。破壊される幼稚園の校舎、栄養失調に喘ぐ子供達・・・見なくてはならない現実の一つなのだと思う。「普通」と「悲劇」が交差するのが、パレスチナの現実なのだから。

 

僕が思い出す「悲惨」なパレスチナの姿は少ないけれども、思い出すのはカランディアの検問所を抜けた時、僕の目に飛び込んできた銃弾で窓ガラスの割られた車の姿。とんでもない出迎えを受けたと思った。パレスチナの内部に居る時なんかは何分かに一回はどこかで銃声が聞こえていた、場所や時間にもよるけど、そんな時があった。

それよりももっと衝撃だったのは、タクシーの中でのことだった。このタクシー運転手は「どうしようもない」パレスチナ人で、砂漠のど真ん中でいきなり、「お前の払った金ではここまでだ。これ以上行きたかったら今すぐ金をもっと払え」なんて言って来た輩だ。そんな彼がだ、「壁」の近くを通った時カメラを取り出した僕に言った。「今すぐタクシーを降りてこれを写真に収めてくれ。そしてお前の国でこの現実を伝えてくれ」

 

報告の終了後に名刺を交換し、3月パレスチナにて色々案内してくれると約束してくれた。パレスチナに行く楽しみがまた増えた。